ディズニーとか映画とか。All I can say is this: listen to me. My name is Raito. That is not my real name.
四季名古屋劇場で「リトル・マーメイド」を見てきました。四季によるディズニーアニメの舞台版を見るのは「美女と野獣」に引き続き2回目です。
曲を含めて、たぶん基本はブロードウェイの翻訳だと思うのですが、演出はかなり変わっているのでしょうか。YouTubeで断片的に見たことしかありませんが、ブロードウェイのアリエルはお尻から下半身が生えてて、ローラースケートで移動しているし(言葉で描写しにくい…)別に頭とんがりコーンになってないよね…。
↑ブロードウェイ版「リトル・マーメイドの映像」
以下、箇条書きで感想。基本的にあまり褒めていません。
★アリエルについて
アリエルは他の姉妹にくらべ特段美人でもなく、明るくも賢くもなく、「母親から受け継いだ美しい歌声を持っていること」が彼女の一番の長所として強調されています。その結果、余計に「持って生まれた才能を捨てて男を追いかける話」っぽくなっていたのがその……うん……。
父親であるトリトンとの関係描写はアニメ版よりも掘り下げられていて、(ただし舞台版のトリトンはアニメ以上にアリエルに激甘)「父と娘」の物語としての側面が強くなっています。
★エリックについて
舞台版ではエリックは「王位を継承することを望んでおらず、船乗りになることを夢見ている」という設定で、「周囲からあるべきと期待される自分」と「ありたい自分」の差に悩んでいます。これは「自分の居場所に悩んでいる」という点でアリエルと心を通わせる共通点になるのですが、最終的な解決が「王位を継承するが船旅には出る」なので意味がわからない。王位を継承するなら陸にいて王国を統治しなきゃいけないんじゃないのか。キャラクターを掘り下げようとした結果中途半端になってしまったような印象。
★アースラについて
舞台版で一番大きなストーリーラインの変更は、アースラの目的が「海を支配する」から「トリトンへ復讐する」に変わっているところ。アースラの上にはさらに姉が6人おり、トリトンはアースラの弟という設定になっています。アースラは不美人であったために父親の寵愛を受けられず、父に愛された姉たちを全員殺したものの、弟であるトリトンから追放されたという背景を持っていることに。
「7人姉妹の末だった」という発言から「アースラをアリエルの写し鏡として描こうとしてるのかな?」とも思ったのですが、父親に愛されなかったことでひねくれてしまったアースラと違い、アリエルはむしろ父親に贔屓されている側だし(姉妹談)、見た目も美人だという設定なのでこの構図は成り立たないし、この改変をした意味はよくわからない。トリトンがアリエルを贔屓してたことを反省する展開でもないので、むしろ「不美人は性格も捻くれ者」っていう悪しきステレオタイプに落とし込んだだけのような…。
彼女の目的が「トリトンに復讐する」になったため、アニメ版のような巨大化しないので、最終的にエリックでなくアリエルが悪役を倒し父親を救う、という展開に繋げたかったのかもしれませんが…。
「家族の話」に落とし込みたかったのなら、余計に後述するアリエルの姉妹の描写がぺらっぺらすぎて謎です。
★アリエルの姉妹について
一番好きになれなかったのが彼女たちの描写。アニメ版よりも露骨に(というかアニメ版はそんなに出番がないのですが)おしゃべりで嫉妬深く意地悪、虚栄心が強いキャラクターになっています。(アリエルの姉妹の変奏なので仕方ないのですが)エリックのお妃候補のお姫様たちも同じように描かれていて、おまけにお城の侍女たちもおしゃべりで意地悪、噂好きのように描かれていて正直女性の描写はかなりキツい。
なぜか急に舞台セットが60年代調になったと思ったらアリエルの姉妹たちが「ザ・スプリームス」みたいな格好で歌いだすのはめちゃくちゃ笑ったけど。
★その他のキャラクターについて
シェフ・ルーイのゲイっぽさ(過剰に演出された“ヨーロッパ人っぽさ”と言い換えてもいい。舞台版『キューティ・ブロンド』ではゲイとヨーロッパ人の見分けは難しい、なんて曲もあった)をギャグにする演出も今の時代にはちょっとキツいかな…。
★追加楽曲について
「パパのかわいい天使」「恋してる」はわりと好きです。ただ、もともとのリトル・マーメイドの雰囲気と違いすぎる気が…。
★ちょっとけなしすぎたので良かった点
舞台美術はけっこう良いと思いました。特に、エリックのお城内部の絵本のような繊細で華麗な背景は美しいです。侍女やお妃候補の衣装も良い。
あ、あとトリトン役がアニメの「ノートルダムの鐘」でフロローの歌声を担当していた村 俊英さんだったのにめちゃくちゃ興奮しました。(ぜんぜん知らなかったので歌声を聴いて気づいた)
アリエルは他の姉妹にくらべ特段美人でもなく、明るくも賢くもなく、「母親から受け継いだ美しい歌声を持っていること」が彼女の一番の長所として強調されています。その結果、余計に「持って生まれた才能を捨てて男を追いかける話」っぽくなっていたのがその……うん……。
父親であるトリトンとの関係描写はアニメ版よりも掘り下げられていて、(ただし舞台版のトリトンはアニメ以上にアリエルに激甘)「父と娘」の物語としての側面が強くなっています。
★エリックについて
舞台版ではエリックは「王位を継承することを望んでおらず、船乗りになることを夢見ている」という設定で、「周囲からあるべきと期待される自分」と「ありたい自分」の差に悩んでいます。これは「自分の居場所に悩んでいる」という点でアリエルと心を通わせる共通点になるのですが、最終的な解決が「王位を継承するが船旅には出る」なので意味がわからない。王位を継承するなら陸にいて王国を統治しなきゃいけないんじゃないのか。キャラクターを掘り下げようとした結果中途半端になってしまったような印象。
★アースラについて
舞台版で一番大きなストーリーラインの変更は、アースラの目的が「海を支配する」から「トリトンへ復讐する」に変わっているところ。アースラの上にはさらに姉が6人おり、トリトンはアースラの弟という設定になっています。アースラは不美人であったために父親の寵愛を受けられず、父に愛された姉たちを全員殺したものの、弟であるトリトンから追放されたという背景を持っていることに。
「7人姉妹の末だった」という発言から「アースラをアリエルの写し鏡として描こうとしてるのかな?」とも思ったのですが、父親に愛されなかったことでひねくれてしまったアースラと違い、アリエルはむしろ父親に贔屓されている側だし(姉妹談)、見た目も美人だという設定なのでこの構図は成り立たないし、この改変をした意味はよくわからない。トリトンがアリエルを贔屓してたことを反省する展開でもないので、むしろ「不美人は性格も捻くれ者」っていう悪しきステレオタイプに落とし込んだだけのような…。
彼女の目的が「トリトンに復讐する」になったため、アニメ版のような巨大化しないので、最終的にエリックでなくアリエルが悪役を倒し父親を救う、という展開に繋げたかったのかもしれませんが…。
「家族の話」に落とし込みたかったのなら、余計に後述するアリエルの姉妹の描写がぺらっぺらすぎて謎です。
★アリエルの姉妹について
一番好きになれなかったのが彼女たちの描写。アニメ版よりも露骨に(というかアニメ版はそんなに出番がないのですが)おしゃべりで嫉妬深く意地悪、虚栄心が強いキャラクターになっています。(アリエルの姉妹の変奏なので仕方ないのですが)エリックのお妃候補のお姫様たちも同じように描かれていて、おまけにお城の侍女たちもおしゃべりで意地悪、噂好きのように描かれていて正直女性の描写はかなりキツい。
なぜか急に舞台セットが60年代調になったと思ったらアリエルの姉妹たちが「ザ・スプリームス」みたいな格好で歌いだすのはめちゃくちゃ笑ったけど。
★その他のキャラクターについて
シェフ・ルーイのゲイっぽさ(過剰に演出された“ヨーロッパ人っぽさ”と言い換えてもいい。舞台版『キューティ・ブロンド』ではゲイとヨーロッパ人の見分けは難しい、なんて曲もあった)をギャグにする演出も今の時代にはちょっとキツいかな…。
★追加楽曲について
「パパのかわいい天使」「恋してる」はわりと好きです。ただ、もともとのリトル・マーメイドの雰囲気と違いすぎる気が…。
★ちょっとけなしすぎたので良かった点
舞台美術はけっこう良いと思いました。特に、エリックのお城内部の絵本のような繊細で華麗な背景は美しいです。侍女やお妃候補の衣装も良い。
あ、あとトリトン役がアニメの「ノートルダムの鐘」でフロローの歌声を担当していた村 俊英さんだったのにめちゃくちゃ興奮しました。(ぜんぜん知らなかったので歌声を聴いて気づいた)
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