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ディズニーとか映画とか。All I can say is this: listen to me. My name is Raito. That is not my real name.
2018年07月22日 (Sun)
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2018年03月25日 (Sun)
見てきました、ピクサーの最新作「リメンバー・ミー 」。「前評判も高いし天下のピクサーだしロペス夫妻の楽曲も楽しみだし死者の日モチーフも好きだし劇場で涙ビシャビシャにして大感動して帰ってくるぜ!」という気持ちで劇場へ向かったのですが、結論から言うとびっくりするほど響きませんでした。
いや泣いたんだけど。天下のピクサーが泣かせにかかってきてるんだから、そりゃあもう滝のように泣いたんだけど。ただ「泣いた」っていうのはイコール「良い映画だと思った」ということにはならないわけで……私、涙腺ゆるゆるだから「パコと魔法の絵本」の予告編ですら泣くし……。
以下、全然褒めてない感想です。ネタバレ全開。
ちょっと今文章をまとめる体力が無いので、思いつくまま書いてます。

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2018年03月03日 (Sat)

 見てきましたよー、今年のオスカー大本命こと「シェイプ・オブ・ウォーター」。
 ビジュアルの美しさはもちろんのこと、とにかく見ながらずっと「デル・トロ監督は優しい……」と思わずにいられない、穏やかにたゆたう水のような優しさ=愛を全編に湛えた映画でした。オールド・ハリウッドへのラブレターであると同時に、これまでのハリウッド史で疎外されてきたものたちへの愛の歌でもあるという……なにこれ愛にあふれすぎてる、優しい。

2017年12月31日 (Sun)
早いもので、今年ももう終わりに近づいてきました。みなさまは今年はどんなカップリングに胸をときめかせたのでしょうか。
私はといいますと、去年の末からの「ファンタスティック・ビースト」(11月末)→「ローグ・ワン」(12月中旬)→「マグニフィセント・セブン」(1月末)の流れが萌え的に忙しすぎてちょっとめまぐるしかったですね。息する間もなく次の萌えがやってくる!というちょっとしたマラソン状態でした。
さて、それでは今年の萌えは今年のうちに。除夜の鐘では消しきれぬ801の煩悩をおさらいしておきましょう。
ゆるーく公開順です。


疾風スプリンター

今年の新春一発目男2人萌え映画だったロードバイク映画。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
雨の中、傘もささずずぶ濡れで歩くスーツの男。物思いに沈む彼の上に、誰かが傘を差し出す。友人で今はライバルでもある男が彼を見つけ、タクシーを降りて追いかけてきたのだ。「車は?」
タクシーを降りた男はとっさに嘘をつく。
「故障したんだ」
2人は1つの傘を分け合い、歩いて行く……
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.。..。.:*・・*:.。. .。.:*・゜゚・*
どこのBLかと思うじゃん?「疾風スプリンター」でーーす!
この他にも、試合シーンで男2人が手を触れ、握り、引っ張り上げ送り出すロマンチック&ドラマチック激アツモーメントは必見です。

マグニフィセント・セブン

今年一番ハマって久々に二次創作に手を出してしまったしテンガロンハットも買ったし絶叫上映のために神戸まで遠征もしてしまったジャンル。キャラの濃すぎる良い男たちが勢ぞろいしてるので、二次創作も大盛り上がりでした。ドラマ版「マグニフィセント・セブン」はみんなのこころのなかに存在しているんだ。オリジナルの「荒野の七人」も時代が時代ならそうとう二次創作が盛り上がったんじゃないでしょうか。
なんといっても公式でただならぬ関係をにおわせていたグッドナイト(イーサン・ホーク)とビリー(イ・ビョンホン)は洋画沼に大きなインパクトを与えました。
なお私の推しカプはファラデー(クリス・プラット)×バスケス(マヌエルガルシアルルフォ)です。ベタだけど最初は喧嘩ばっかりしてるのに初戦でいきなり背中あわせちゃうとことか、だんだんかけがえのない仲間になっていくとことか、ね!ね!バスケスから「グエロ」という言葉の意味を永遠に奪っていったファラデーの存在を思ってはさめざめと泣く発作から未だに抜け出せません。

ナイスガイズ!


ラッセル・クロウ×ライアン・ゴズリングの痛快LAバディもの。いつもは無言・無表情で人を踏み殺したりしているライアン・ゴズリングの珍しくコミカルで情けない役どころがめちゃくちゃキュートです。ラッセル・クロウのモフモフくまさんっぷりもすごい。

アシュラ

やたらと顔の良い汚職刑事(チョン・ウソン)が地獄の釜の底を這いずり回る地獄of地獄映画。全編にわたって「じ、地獄かよ」の連続なのですが、その中にあって淡い希望のようだった後輩との関係性が泣けます。
ソンモヤーーー!!!

キングコング 髑髏島の巨神

「まさかこの作品でやおい萌えすると思わなかった」大賞2017。映画としてもキメ画しかねえ!っていう無茶苦茶なテンションの高さで今年のベストに入れるくらい大好きなのですが、敵同士だった日本兵とアメリカ兵の間にいつしか何ものにも代え難い友情が芽生えるドラマ(※なおその過程については鑑賞者の想像にお任せされている。優しい)には胸をときめかせざるをえませんでした。
キングコングさんが2人を見守る優しい守護神だったため、「キングコングと同カプ」といういくらなんでも強すぎるワードが生まれてしまった罪深い映画でもあります。
グンペイとマーロウのスピンオフ待ってる!

ムーンライト

アカデミー賞作品賞を受賞した、マイアミに住むゲイの黒人少年の成長を描く物語です。幼馴染の少年とのラブロマンスが主軸なのですが、少女漫画のようなピュアピュア甘酸っぱラブストーリーすぎてドキドキします。他のパートがしんどいぶん、2人が向かい合うダイナーのあの空間がキラッキラしていて胸が苦しい。煙草の煙を吐き出すアンドレ・ホランドの、まさに"夢の男"な美しさ……すごい……

T2 トレインスポッティング

「人生を選べ」でおなじみ「トレインスポッティング」の20年ぶりの続編です。ベグビー×レントン派にもシックボーイ×レントン派にもレントン×スパッド派にも優しい親切設計でした。みんなはどの組み合わせが好きかな?ちなみに新キャラのベロニカちゃんはシックボーイ×レントン推してたよね。
私はやっぱり、世間から取り残され、もはや憎くて愛しい昔のダチしか縋るもののないベグビーの「一緒に死のう」で泣いちゃうんですよ。うう。

レゴ・バットマン

おれがバットマンの一番トクベツじゃなきゃイヤイヤ!なジョーカー(通常運転)の健気さ(?)がかわいい。やっぱり「スーサイド・スクワッド」に足りなかったのはこれだったんだよ…!ジョーカーにはハーレイよりもまず先にバッツィ大好き♡でいて欲しかったんだよ!!バットマンに執着しないジョーカーなんてジョーカーじゃないもん!

パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊

「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズはオム・ファタール<運命の男>ことジャック・スパロウが次々と出会う男の運命を狂わせていくことでおなじみですが(?)、今回の敵のサラザール(ハヴィエル・バルデム)は「人が恋に落ちる瞬間を見てしまった、参ったな…」としか言いようのない「ジャック・スパロウとの運命の出逢い」モーメントを見せてくれます。チェケラ!

カーズ/クロスロード

詳細は作品のレビューで書いたのであまり言うことはないのですが、とにかくマックィーンがドックのことを大好きで、ドックもやっぱりマックィーンのことをとても大事にしてるんですよね。っていうのを再確認できただけでめちゃくちゃ胸にくる。
映画としては文句言いたいところもありつつ、やおいとしてはピストンやおいカップぶっちぎり優勝レベル。

アリーキャット

こういうしみったれたかんじの男2人のバディもの、好きです。ちょっと記憶が曖昧なんですが、窪塚洋介が降谷建志に「俺が一生一緒にいてやんよ!」ってプロポーズしてた気がします。Angel Beats!的なやつ。あとこれは絶対に確かなんですが、窪塚洋介が降谷建志に「あーん」してた。「あーん」、してましたね。

トランスフォーマー/ 最後の騎士王

映画としてはかなり狂気と混沌を極めていましたが(※私は好きです)、やおい的にはオプティマス×バンブルビー派にもオプティマス×メガトロン×オプティマス派にもメガトロン×スタースクリーム派にも優しい親切設計でした。ベイベイはやりたい放題でも腐女子に配慮してくれるので優しい。(たぶん違う)
今まで私の中で「なんであの子が生きてる時に『好きだ』って言ってやらなかったんだよ!って胸ぐら掴みたくなる映画」第1位は「クロニクル」だったんですが、ここにきて「トランスフォーマー 最後の騎士王」が驚異の追い上げを見せてますね。メガスタ的な意味で。
スタースクリームはアニメでも幽霊化したし、次回作でしれっと生き返ってても誰も文句言わないと思うので早く復活してください。

散歩する侵略者

あのーーあぶなげな魅力の美少年かつ侵略者な天野くん(高杉真宙)と、彼に振り回されるジャーナリスト桜井(長谷川博己)の、なんだかんだと付き合っちゃうあの距離感とか最後の決断とかさ、ああいうかんじ、良いよね〜〜ウンウン(言語化という概念を奪われている)
あと「松田龍平に愛について教える東出昌大」っていう図、なんかちょっとドキドキします。

エイリアン:コヴェナント

「私はいったい何を見せられたんだ」大賞2017ぶっちぎりの首位。
リドスコ監督「マイケル・ファスベンダーとマイケル・ファスベンダーがね……2人で縦笛を吹くんですよ……フフ……」
私「こわい」

スイス・アーミー・マン

たぶん今年見た映画の中でもダントツに「変」な映画。無人島に漂着したポール・ダノがダニエル・ラドクリフの死体から出る腐敗ガスを動力にして無人島を脱出する、という出だしから製作者が何のヤクをキメてるのか心配になるのですが、そこから人とは、社会とは、孤独とはという問いに発展していくのがすごい。ポール・ダノが女装してダニエル・ラドクリフと恋人ごっこをしていたり、ポール・ダノとダニエル・ラドクリフのキスシーンがあったりするので見た目だけはかなりBLなのだけれど、変すぎてよくわからない。でも「誰にも理解されなくても世界のすみっこで2人だけの僕(たち)」という意味では、これはある意味でかなり純度の高いやおいなのかもしれない。

マイティ・ソー/バトルロイヤル

ロキちゃんしんどいオタクなので「マイティ・ソー」、「アベンジャーズ」、「ダークワールド」と「ロキちゃんのしあわせとは…………ロキちゃん……………」と考えてはシクシク泣いていたのですが、「バトルロイヤル」で「あれっロキちゃんけっこう楽しそうだな?!」という姿が見られたので安心しました。
おそらく全世界6億の鑑賞者にウェディング・ベルの音が聞こえたであろう「いるよ♡」は神兄弟推し腐女子の心にとてつもないインパクトを与えました。結婚おめでとう。
あとジェフ・ゴールドブラム演じるグランドマスターがえっちです。

セントラル・インテリジェンス

元いじめられっ子のCIAエージェント(ロック様)が、高校の時いじめから庇ってくれた元高校イチのイケてるボーイ(ケビン・ハート)を巻き込んでのどったんばったんバディアクション。とにかくケビン・ハートに子犬のようになつくロック様がかわいい。こういう軽く楽しめるバディ映画を年に何回か見られると幸せですね。

ジャスティスリーグ

超人蝙蝠イェーイ!
私は常々「バットマンはスーパーマンのもっとも素晴らしい資質は飛行能力でも鋼鉄の肉体でもヒートビジョンでもなくその人間性であると分かっているのだ。スーパーマンの"マン"の部分こそがもっとも素晴らしいのだ。だからバットマンはスーパーマンがそれを忘れかけた時にも彼のことをクラークと呼び続けるのだ」と言い続けてるのですが(なにしろ私は初めて読んだアメコミが「キングダム・カム」だった人間なので)これがもう今回公式と完全に解釈一致だったので最高です。スーパーマンを「クラーク」と呼ぶブルース、「カル」と呼ぶダイアナ。人間であり特殊能力を持たないブルースと神であるダイアナ。そしてその中間にいるのが、神のごとき能力を持ちながら人として育てられたスーパーマン。これこそがDCのトリニティですよ!!!これが見たかった!!!
バリーくんも可愛かったですね!

スターウォーズ/最後のジェダイ

前作「フォースの覚醒」での「名前を与える」「彼シャツならぬ彼ジャケ」などの濃すぎる絡みを経て、「果たしてフィンとポーは公式にカップルになるのか?」がファンの最大の関心事のひとつでもあった今作。相変わらずフィンとポーは仲良しで微笑ましかったですが(でももっと絡みあってもよかった)、全体的に公式のレンレイ推して参る!!!!!!っぷりがすごくて圧倒されました。私前作でレンポー推してたんですが、ここまで公式にレンレイ推されるともう何も言えません。Reylo派の方々おめでとうございます。
それにしてもスノーク最高指導者がレイとカイロをアレしたあの技はズルくないですか?スノークさん強火のReylo担すぎる。私もそれ自分の推しカプに使いたい〜〜


今年は何と言っても私には「マグニフィセント・セブン」の年でした。
私のやおいセンサーにはあまり引っかからなかったのですが、「ザ・コンサルタント」や「キング・アーサー」、「ダンケルク」も盛り上がってましたね。守備範囲の関係で邦画・アジア映画をあまり見られていないので、来年はそちらも見られたらいいな。相変わらずハイローは「はまってしまったら絶対に(沼の広がりが)やばい」という理由で距離を置いてます。

「やおい的期待作2018」は年明けにでもアップできると良いなと思います。それでは皆さま良いお年を!
2017年12月31日 (Sun)
そろそろ2017年も終わりですね。この年、みなさまどのような沼に入沼されたのでしょうか。
私はといえば5月に中日劇場で見たミュージカル「グレート・ギャツビー」でニック・キャラウェイを演じていた田代万里生さんに心を奪われてしまい、ミュージカル沼の浅瀬で「大丈夫まだ足つく……まだ足つくから大丈夫……」というチキンゲームをちゃぷちゃぷやっており、どの段階で足をとられて溺れるのかが戦々恐々としております。

さて、私は普段洋画沼の民なのですが、ミュージカル沼ってすごい大変ですね…!何が辛いって遠征費含む出費もですが、たいていの場合過去の舞台の映像が残っていないのでハマった俳優さんの過去作を漁れないのが辛い。

何が言いたいかというと、田代万里生さんの過去出演作である「スリル・ミー」が見たくて見たくてたまらないのに円盤が出ていなくて辛いという話です。

……などとブログの下書きに書いていたところ、なんと「スリル・ミー」の再演が発表されました!!!2018年12月だそうです。絶対に観に行く。でも、田代万里生さんは出演されないので、やっぱり私が田代さんの「スリル・ミー」を見ることはもう無いのでしょうね。つらい。

そんなわけで、日々ライブ盤CD、公式がYouTubeにあげている宣伝動画、ファンの方々の当時の観劇レポ、オークションで買ったプログラムなどを頼りに「スリル・ミー」の全貌を想像しています。この遊びができるのもあと1年か〜
ライブ盤CDは伊礼彼方×田代万里生版しか聞いていないので他のペアはもっと違う印象なのかもしれないのですが、この2人の「己の持てる全てをもって歌唱力でぶん殴りあってる」感じが最高に好きです。2人がぶつかり続けることのきらめきというか……。かつて石原郁子先生が映画「ガタカ」を評して「(前略)奇妙な共犯関係。それはこの上なく甘い戦きに満ちた官能的な絆だ」「宝石が研磨されてその輝きを顕わすように、互いに傷つけあうその痛みから、ほとんど<愛>と呼べる美しい瞬間が研ぎだされる」とおっしゃいましたが、まじでこれなんだよ「スリル・ミー」のふたりは…!!!(※この人舞台見てません)


ところで、「スリル・ミー」の全貌を妄想しながら、これってラドヤード・キプリングの「王になろうとした男」っぽさがあるなあと思っています。

☆「スリル・ミー」のあらすじ☆
刑務所の仮釈放審議会で、囚人である"私"は、37年前の殺人事件と、事件の共犯者であった"彼"について回想する。同じ大学に通っていた"彼"と"私"。頭が良く周囲を見下している"彼"は、しばしばスリルを味わうために犯罪行為を行い、"私"に片棒を担がせていた。犯罪行為には気がすすまないものの"彼"に夢中になっている"私"は、"彼"に提案された「お互いの要求を満たす」という契約を結ぶ。"彼"の欲求は次第にエスカレートし、ついに2人は殺人を計画するが……
※「スリル・ミー」は1924年にシカゴ郊外で実際に起きた殺人事件、「レオポルドとローブ事件」を下敷きにしています。

☆「王になろうとした男」のあらすじ☆
19世紀、イギリス統治下のインド。あるイギリス人新聞記者のもとに、2人の英国人が訪れる。ともにフリーメイソンの会員である英国人のドラヴォット、カーナハンの2人は「アフガンを抜け秘境カフィリスタンへゆき、優れた軍事知識でもって現地人の信頼を得てゆくゆくは王になる」という計画を立てていた。2人は新聞記者を証人とし、「王になるまでは酒も女も断つ」という契約を結んだのだった。2人は新聞記者から得た情報を使ってカフィリスタンゆきへ成功し、ドラヴォットは神の子として崇められる。2人の野望は成功しかけたかに思えたが……
↑映画「王になろうとした男」より、カーナハン(マイケル・ケイン)とドラボット(ショーン・コネリー)が互いの煙草に火をつけるシーン。やおい度が高い。

以下、「スリル・ミー」と「王になろうとした男」って実は近い話なのでは…?という話をするのですが、私は「『アナと雪の女王』と『SHAME/シェイム』は実質同じ話」とか言い出す人なので、あまり真面目に聞かないでくださいね。
そして私は実際の「スリル・ミー」の舞台を見ていないので、様々な情報の断片から私の脳内で形成された「ぼくのかんがえたさいきょうのスリルミー」の話をしているよ。

「スリル・ミー」と「王になろうとした男」が共通しているなあと思う点は大きく2つあって、
①男2人の契約が結婚として描かれている
②男たちは自分たちが他者に優越する存在であることを証明しようとして身を滅ぼす
です。
①については「スリル・ミー」の方がわかりやすいですね。
"私"と"彼"が契約を交わす「契約書(A Written Contract)」のナンバーでは
よく聞け/これから2人は正式に結ばれる/対等な立場で 永遠に/覚悟を決めて契約書を作ってサイン!
2人はこれで完全な絆で/繋がれ結ばれた
正しく法律に従った正式な契約だ/たとえタイプの文字が掠れても/2人を決して離さない/永遠に

など「契約」によって2人が「結ばれる」ことが強調されており、執拗にこの契約が彼らにとって結婚の暗喩であることが示されています。
対して「王になろうとした男」は「スリル・ミー」ほど露骨ではありませんが、ドラヴォットとカーナハンの契約を男同士の結婚とする読みもあります。
このテクストに男たちのホモエロティックな関係を感じとっている評者は多い。たとえばある論者は次のように言う。ドラヴォットが「兄弟」と「わたし」に呼びかける部分をテクストはイタリックで強調している。それは実はメーソン仲間としての呼びかけであるわけで、大部分の者には理解不能な隠された意味を帯びている。だから、男たちのそのやりとりに、読者は「なにかが隠されているという感じを覚えるだろう」(Scherick 120-21)。カーナハンとドラヴォットが交わす約束ーー王国を建設するまでは互いに協力し、酒と女を断つという契約ーーを、ショーウォルターが「男同士の結婚の契約」と呼ぶとき(94)、彼女が暗示するのもふたりの男のホモエロティックな関係だ。(角田 123)
また、「スリル・ミー」の ”私”は"彼"に心酔していますが、「王になろうとした男」のカーナハンもまた、ドラヴォットに心酔している様子が伺えます。
だんな、だんなはドラヴォットを知ってる!すばらしい崇拝すべき兄弟のドラヴォットを知ってるはずだ!さあ、やつを見てやってくれ!(キプリング 603)
ちなみに角田信恵氏の評論「首をめぐる輪舞「王になろうとした男」とホモエロティックな欲望」では「王国の半分」「首」「舞い」という要素から「王になろうとした男」を「サロメ」に絡めて論じているのですが、「スリル・ミー」もオスカー・ワイルドの「サロメ」みたいなとこありますよね。"私"が「99年(Life Plus Ninty-Nine Years)」のナンバーで「勝ったのは僕だ」「いつまでも(君は)僕のものだ」と歌うのは、サロメの囁く「おまえの口に口づけしたよ、ヨカナーン」と同義だし。同義だし!!なぜならこれは自分を愛さない男への勝利宣言だから!!(目グルグル)

そして②ですが、「スリル・ミー」の"私"と"彼"は非常に優秀な頭脳の持ち主であり、2人とも周囲の人間を見下しています。(「私」は「彼」ほど犯罪を犯すことに積極的ではありませんが、周囲の人間を見下しているのは「彼」より露骨かもしれません。)2人は自分たちがニーチェのいうところの「超人」であり、完全犯罪を犯すことができると証明しようとして殺人を犯します。
「王になろうとした男」では、ドラヴォットとカーナハンはカフィリスタンの民を侮り、彼らを支配しようと企てます。
戦いのあるところじゃ、兵隊を訓練するやり方を知ってる者が王の座につく。だからおれたちはそこへ行って、王ならだれでもいいから見つけて、こうもちかけるんだ。『敵をやっつけたくありませんか?』ってね。で、兵隊を訓練する方法を教えてやる。おれたちがいちばん得意とすることだ。それからその王をやっつけちまって、王座をいただいて、おれたちの国をおっ建てようって寸法さ(キプリング 552)
この「現地人を劣った存在と見なし支配しようとした男が痛い目にあう」という点はH.G.ウェルズの短編「盲人の国」にちょっと似てるかも。

なにより「スリル・ミー」と「王になろうとした男」はどちらも究極の「男ふたり」ものなんですよね。カリスマ性のある男とその男に心酔する男、ふたりで世界を膝まづかせようとした男たちの破滅。破滅によってこそ浮かび上がる、愛に似た何か。

本日のまとめ:スリル・ミーは「王になろうとした男」であり「サロメ」であり「ガタカ」。

はーーもう田代万里生さんが「スリル・ミー」の再演に出てくれないなら、いっそ「王になろうとした男」をミュージカル化して田代さんにカーナハン役やってもらおう!!!!!ウワアアアアアン!!!!
だって田代さんて「グレート・ギャツビー」のニックといい「スリル・ミー」の"私"といい、カリスマ性のある男を愛する男の役が似合うんだもの。


引用文献とか参考文献とか:
キプリング、ラドヤード「王になろうとした男」金原瑞人・三辺律子共訳『諸国物語』ポプラ社、2008年。
ワイルド、オスカー『サロメ』福田恒存訳、岩波書店、2000年。
石原郁子『映画をとおして異国へ  ヨーロッパ/アメリカ編』芳賀書店、2000年。
角田信恵「首をめぐる輪舞「王になろうとした男」とホモエロティックな欲望」『キプリング 大英帝国の肖像』彩流社、2005年。
「首をめぐる輪舞」引用内の引用文献は以下
Scherick, William J. "Ethnical Romance: Kipling's "The Man Who Would Be King.""Transformig Genres: New Approaches to British Fiction of the 1890s. Ed.Nikki Lee Manos and Meri-Jane Rochelson, London: Macmillan, 1994.
Schowalter, Elaine. Sexual Anarchy: Gender and Culture at the Fin de Siecle. New York and London: Penguin, 1991.
2017年11月10日 (Fri)

  近頃、個人的な課題研究のテーマである「ディズニー・プリンセス」についてあまり書いていなかったので、ツイッターでも呟いていた「アバローのプリンセス エレナ」についてまとめておきます。(おたくあるある、誰にも頼まれてないのに勝手にテーマを決めて課題研究をし始める)
 ご存知ない方のために説明すると、「アバローのプリンセス エレナ」はディズニーチャンネルで放送中のテレビシリーズです。アバロー王国の次期女王であり国を治めるプリンセス、エレナが仲間とともに様々な冒険や問題を乗り越えていくというもの。同じくディズニーチャンネルのテレビシリーズ、「ちいさなプリンセス ソフィア」のスピンオフ作品です。
 エレナは初のラテン・アメリカ系のディズニープリンセスということでも話題になりました。物語の舞台となる「アバロー王国」は中南米の国々をモデルにした架空の国で、劇中でも「死者の日」をお祝いしたり(第9話「先祖のお祝い」)、マヤのピラミッドらしき建物が登場したりと、中南米の文化が取り入れられています。他にもいろいろ元ネタがあるらしいのですが、私の知識ではあまり分からず。
 クリエイターのクレイグ・ガーバー氏がたまにツイッターで元ネタを呟いてくれています。

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