Red Notebook 『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』もしくは私とバルボッサの話 忍者ブログ
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ディズニーとか映画とか。All I can say is this: listen to me. My name is Raito. That is not my real name.
2017年07月02日 (Sun)
 
見てきました、『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』。このシリーズは第1作から欠かさず劇場で見ているのですが、実は第1作を除いて映画自体にはそんなに思い入れがありません。今回「最後の海賊」前にシリーズの復習もしてないのでストーリーもおぼろげにしか覚えてないし、なんなら「パイレーツ5公開前に(シリーズの前作ではなく監督コンビの過去作である)『コン・ティキ』予習しとこっかな~」と思ってたくらい。
そんな私が何故PotCシリーズを欠かさず劇場で見ているか。今回もなんだかんだ公開初日に劇場に駆けつけているか。
それは私がヘクター・バルボッサというキャラクターを愛しているからです。4作目以降は、ほとんどバルボッサのために惰性で見続けていると言ってもいいかもしれない。

『パイレーツ・オブ・カリビアン』第1作公開時、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでレゴラスにはまっていた当時小学生の私は、オーランド・ブルーム目当てで劇場に向かい、見事にウィル・ターナーではなくヘクター・バルボッサにメロメロになってしまったのです。当時の私の口癖は「バルボッサに林檎を食べさせてあげたい…。青森から直送で林檎を送ってあげたい…」でした。当時から気持ち悪いオタクっぷりが酷すぎ。
それから十余年の時が過ぎ、パイレーツ・オブ・カリビアンは第5作が作られることになりました。

 ※以下ネタバレありの感想


●バルボッサとジャックについて
バルボッサのキャラクターは第4作目あたりからかなり迷走気味で、船長を裏切って船を乗っ取るような悪党のバルボッサが権力に媚びへつらう様とかけっこう辛かったですね。今作でも成金趣味に拍車がかかっているバルボッサを見て、私は「どうしよう……このままではバルボッサがただのおもしろおじさん枠になってしまう……」と気が気ではありませんでした。
我らがジャック・スパロウは相変わらず飄々としていて、その変わらない姿にはテンションがあがるものの、まるで「ジャック・スパロウ」という概念を希釈したかのように薄味で、かつてみんなが恋をしたあのジャック・スパロウとはどうしたって違う、と思わずにはいられませんでした。ジャックが一番ジャックらしいカリスマを発揮してるのが過去のサラザール撃退シーンってどうなの…。
ジャックとバルボッサはこのシリーズの皆勤賞で(ジャックは当然ですが)シリーズの顔とも言えるわけですが、それゆえこの二人が過去作の出来の悪いパロディのように、かつての輝きを失ったキャラクターになっていたのはほんとうにショックでした。
だからバルボッサが死んだとき、やっぱり悲しかったけど同時に安心したんです。もうこれ以上バルボッサのキャラクターが迷走していくのを見なくて済むって。
許してくれ、私は推しが死んだことに安心するような嫌なオタクになってしまった…。とバルボッサに熱中していた小学生のころの自分に謝りたい気持ち。
でもやっぱり推しが死ぬのを二度も見るのは辛いです。辛いよ!!
今後の展開で万が一バルボッサがまた生き返った(もしくは実は生きてた)なんてことになったら、さすがに「新シリーズが始まるたびに殺されては生き返るトランスフォーマーG1のコンボイ司令官かよ!!!!安らかに眠らせてやれよ!!!」という気持ちになってしまうので勘弁してください。
しかし、このシリーズが続くかぎり絶対に看板から下りさせてもらえないジャックというキャラクターはどうなるんでしょうね。

●新キャラクター、サラザール、ヘンリー、カリーナについて

 今作で唯一好きだったのが新キャラクターのサラザールでした。亡霊時の気持ち悪さはもちろんのこと、人間のときのセクシーさもすごい。ハビエル・バルデムさんの顔の圧からくる気持ち悪さ(褒めてる)とハチャメチャなセクシーさが同居した魅力的なキャラクターだったと思います。
 サラザールが若き日のジャック・スパロウにしてやられるシーン、サラザールのセクシーさもさることながらジャックがあんまりにも美しくて、サラザールがジャックに心を奪われてしまうのも仕方ないな……と思いました。やっぱりパイレーツシリーズってジャック・スパロウという男に運命を狂わされてしまった男達が破滅していく話なのかな……。ジャック・スパロウこそがオム・ファタール<運命の男>なのかな……。
サラザール率いる幽霊船およびその船員はビジュアル面でも今作の支えになっていて、特に「船が船を食う」シーンの禍々しさは圧巻でした。ぎょっとさせるゾンビ鳥や、やたらとB級映画くさい「ゾンビザメ」も笑えてよかった。
一方、今作の準主人公であるヘンリーとカリーナ。
ヘンリーはウィルとエリザベスの息子という設定なので、ボケのジャックに対するツッコミの常識人で、あまりキャラ立ちがなかったのが残念。
ヘンリーとカリーナのロマンスも、二人の間のケミストリーが全く感じられず「そこに男のメインキャラと女のメインキャラがいれば当然ロマンスが生まれるでしょ、と周囲がけしかけた結果ほんとにくっついた」程度の扱いだったので、ざ、雑―!ロマンスが雑―!!ウィルとエリザベスの関係にドキドキさせてくれたパイレーツシリーズとは思えないほど雑ーーーーー!!!!
女性の新キャラクターであるカリーナは、科学者なのに「魔女」と呼ばれていたり、好奇心旺盛で天文学や計算に詳しいというキャラクターで、近年のディズニーの「魔女」の意味の変革やガールズエンパワメント的な要素を感じるなあと思って初めのうちは好ましく見ていました。演じるカヤ・スコデラリオちゃんも「メイズ・ランナー」の時から好きだったし。
ただカリーナの扱われ方はだいぶ酷い。カリーナが自分は「時計学者(horologist)」だ、というのを海賊たちが「娼婦(whore)」だと勘違いするシーンなど、この時代の海賊たちの女性蔑視的価値観を笑うものだとしても、「自分の能力に自身を持つ若い女性」と、「それを理解せず性的な目線でしか彼女を見られない男性たち」という構図はあんまり笑えないです。しかもファミリー向け映画で。(そういえば今作は割と下ネタが多かったな。)ジャックが結婚させられそうになるシーンといい、今作全体的にミソジニーきついなと思いました。
バルボッサがカリーナの父親だったという設定自体は「ふーん」ってかんじなんですけど、それによってカリーナが「バルボッサの娘」という枠に収まってしまい、なんとか存在しているかに見えた彼女自身のストーリーラインがますます希薄になってしまったんですよね。そのわりに二人の関係の掘り下げもあまりないし。
あとこの二人の親子関係設定はバルボッサの死をより悲劇的に演出するためのご都合設定っぽくて、バルボッサのストーリーラインとしてもカリーナのストーリーラインとしても安っぽくしてしまって勿体ないなあと……。
この辺りのキャラ設定にはなんとなく「次世代編」につなげて新シリーズを起動させたいという意図が見え隠れするのですが、前述のとおりジャックもバルボッサももうかつての輝きをもって描写されることはなく、新キャラクターも「ウィルとエリザベスの息子」「バルボッサの娘」という次世代編を作りたいがためだけに生み出された物語の駒以上の魅力は無い……というのがなんだか悲しいです。
いやー、ストーリーは過去作の焼き直しなのに旧キャラの見せ場を作りつつ次世代編に繋げて新キャラも魅力たっぷり、映画としても最高に面白い『スターウォーズ/フォースの覚醒』ってとんでもない傑作でしたね!フォースの覚醒最高!

そういえば副題の「最後の海賊」って結局なんだったの?

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