Red Notebook 「トイ・ストーリー4」私たちはかつてヴィランだった 忍者ブログ
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ディズニーとか映画とか。All I can say is this: listen to me. My name is Raito. That is not my real name.
2024年04月27日 (Sat)
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2019年07月19日 (Fri)
IMAXレーザー・2D字幕で鑑賞。いろいろ予定が重なって、見るのが遅くなってしまいました。ツイッターで映画クラスタとディズニークラスタをメインにフォローしているので、公開から24時間以上経ったのにまだトイストーリー4を見ていない…?正気…??みたいな雰囲気になってるけど、まだ公開1週間なので世間的にはセーフだよね??何のセーフかは分からない。

IMAXレーザーで見たこともあり、映像の美しさは本当に素晴らしくて、冒頭の土砂降りのシーンなんてとんでもなかったですね。あんなドラマチックな画作れる!?

見るのが遅くなったことで、ツイッターで大勢の人が怒りを露わにしていたのを見てしまい、鑑賞中「受け入れられなかったらどうしよう……」という思いが渦巻いていたのですが、結論から言うと私は全体としては肯定派、かな……。めちゃくちゃ好きというほどではないが、続編として受け入れられないほど嫌いでもない、作品としてのクオリティはさすがに高い、くらい。トイストーリーシリーズでどれがいちばん好き?って聞かれたらやっぱり1作目か3作目だし。
受け入れられない部分もあるし、怒っている人が怒っている理由もわかります。(わかる……と思うけど、他の人の感想をほぼシャットアウトしてるので全然分かってなかったらごめんなさい。)
しかし「自分がこの作品を受け入れられるのか」ばかりが気になって、楽しいシーンでも心から笑えなかったのでやはり話題作はできる限り早めに見るべきですね。
すべての予定に映画を優先させて人間生活を捨てるしかない。
以下、ネタバレありの感想です。


冒頭、ボニーの遊びに選んでもらえないウッディのシーンで既にめちゃくちゃ辛くなってしまったんですけど…!!
そうだよね、ボニーはアンディじゃないもんね。ウッディはアンディ(と観客)にとっては特別なオモチャだけど、ボニーにとってはたくさんあるオモチャの中のひとつだもんね。
「トイストーリー4」、ウッディとフォーキー、ボニーの関係から子離れする親の話としても読めると思うんですけど、あえてめちゃ素直にオモチャと子どもの関係として見た場合の話をします。
トイ・ストーリーシリーズに出てくる子どもって残酷じゃないですか。シドはオモチャをバラバラにしたり爆破したりするし、アンディだって新しく手に入れたバズに夢中になって簡単にウッディと遊ばなくなるし、エミリーは大きくなればジェシーを不用品として捨てるし、デイジーはロッツォをなくしても新しくオモチャを買ってもらえばそれで満足。
ボニーだって、お気に入りのオモチャもあればクローゼットにほかりっぱなしのオモチャもある。
その度にオモチャたちは深く傷ついている。なぜなら彼らは子どもを愛していて、持ち主に愛されたい、遊んで欲しいと願っているから……。

いや、子ども酷くないですか!?トイストーリーシリーズにおけるヴィランは子どもなんじやないの!?(実際、1作目では子どもであるシドが悪役だったし、3作目でも小さい子どもが乱暴にオモチャを扱うのはオモチャにとっては恐怖であるという描写が出てくる)
でも、トイストーリーに出てくる子どもが特別残酷なんじゃなくて、子どもってそんなもんなんですよね。私たちもかつて子どもだったし、一時は夢中になったオモチャにすぐ飽きたし、なにかの拍子に無くしたオモチャもあるし、オモチャたちをたくさん傷つけたと思う。あんなに好きだったのに今ではどこに行ったから分からないオモチャもたくさんある。
私はオモチャの扱いも決して丁寧ではない子どもだったので、リカちゃん人形の髪をストーブで焦がしたりとか……いろいろあったな……。
あと、まだ捨てられてないオモチャも「人形焼きのとき供養してもらうわ」とか言ってビニール袋に詰めてクローゼットに置いてあるな。私がヴィランか。

なので、「トイストーリー3」は大好きだし、何度見ても号泣するし、間違いなく「トイストーリー1」から「トイストーリー3」は映画史に残る3部作だと思うけれど、「トイストーリー3」の焼却炉のシーンでは「あああ……私がかつて捨ててきたオモチャたちもあんな風に……」っていう罪悪感に苦しんできたんですよ。
2作目のWhen she loved meのシーンでも「私が捨ててきたオモチャたちが……」って苦しみながらのたうちまわってたんですよ。
そこにきて今回の「あなたがなくしたオモチャも、どこかで楽しくやってるかもよ」というメッセージ、「お前のなくしたオモチャは焼却炉で焼かれている」というメッセージよりは、ずいぶん優しいなあ……と思って、「トイストーリー」シリーズを見る度に抱いてきた罪の意識を、ちょっとだけ許してもらえたような、そんな気になったんですよね。
メリーポピンズ  リターンズじゃん…。Where the lost things goじゃん……。

オモチャたちも人間の子どもが全てなんて思わなくてもいいよ、人間なんてそんな良いもんじゃないよ……。
そもそも「子どもに遊んでもらうことこそがオモチャの幸せ」みたいなやつ、わりと2作目からの後付け設定っぽかったしな……。1作目のシドの(ある意味イマジネーションに富んだ)「遊び」は明確に否定されてるわけだし。

ただまあ、「どこかで楽しくやってるオモチャもいる」について、「それをウッディがするのか? 3でアンディのもとに留まることより仲間を選んだウッディが?」って思う人がいるのもね〜〜わかるよ、私もそれをウッディの選択として受け入れられるのかって言われたらまだ分からない。まだ迷ってる。
(怒ってる人の怒りポイントここじゃなかったらごめんなさい)

ところで悪役の話だと、「トイストーリー2」のプロスペクターや3のロッツォみたいな「良い人だと思ってたおじさんが実は悪いやつだったよ!」オチには辟易していたので、今回の悪役(?)であるギャビー・ギャビーの扱い方はかなり好きでしたね。
ギャビー・ギャビーはオモチャが子どもに寄り添うのはオモチャができる最もnobleなことだ、というようなことを言っていたんですが、要するに「子どもに寄り添う」って、オモチャたちのなかでは「作られた目的を全うする」とかではなく、「徳の高い行いである」という認識なんですね。
これ、たぶんトイストーリー2か3の時点なら「オモチャが子どもに寄り添うのはオモチャにとっての幸せである」という描き方になってたと思う。
この辺りからも、今作ではオモチャにとって子どもは絶対の存在ではなくなっているのが分かります。いいんだよ……子どもに縛られずに幸せになるオモチャがいたっていいんだよ……。
だから、子どもから愛されることをずっと願っていたギャビー・ギャビーが、「愛されたい」ではなく「寄り添いたい」という思いからの行動によって結果的に幸せを手にするの、徳の高い行いによってこそハッピーエンドをゲットできるという、さりげないけどディズニー/ピクサー倫理…!というかんじでしたね。

私が今回いちばんモヤモヤしているのはボー・ピープの描かれ方で、事前にキャラクタービジュアルが公開されたときから賛否両論ありましたが、本編を見ると余計に「私の知ってるボー・ピープじゃないな」というがっかり感が強かった。表情の作り方がもう全然違うんだもん……。
ただ、羊飼いの杖を使ったアクションもカッコ良かったし、今回から出てきたヒロインだったら文句なしに好きだったと思います。
ディズニーだって一作ごとにヒロイン像のアップデートをしていく時代に、ボーも今までのままじゃ面白みのあるキャラクターにならないし、アンディの家から出て9年経ってるんだし、外のハードな世界で生きてたらあれくらいの感じになるでしょ、というのも理屈としては分かるんですけど……。
でも、もうこれはキャラ解釈の話なので「どこまでの振れ幅なら許容範囲か」っていう個人の感じ方の違いなのでしょうがないね!オッケー派の気持ちもダメだったよ派の気持ちもどっちもわかる!
でもやっぱり、今までのボーだったらあのシーンでハグとかじゃなくてウッディを押し倒してキスくらいしてる、と思ってしまったり。うう……。
以下、BがLしてるのが好きな人の妄想込みやおい感想なので苦手な人はリターンしてね♡
●私、バズとウッディの関係に萌えてたので、その観点でいくと今回のラストめちゃくちゃ辛かったです。十年以上推してるカプが公式で別れてしまった…。公式で付き合ってすらいないのに公式で別れた……。
いや、いち早くウッディの気持ちを察するバズさすがだなフフフ…ってなるんですが、それ置いといてもアンタは俺の相棒じゃなかったの!!!ねえ!!!
1作目の「トイストーリー」、ディズニー/ピクサーでも屈指の王道バディ物a.k.a.ブロマンスなので、もうこの2人が最高ニコイチ、inseparableだぜ俺がついてるぜ、みたいなノリで十年以上生きていたオタクには辛すぎる。
冒頭で今作についてはどっちかというと肯定派と書きましたが、それは映画ファンないしディズニーファンの私としての感想であり、やおいガールとしての私は血の涙を流しながら咽び泣いています。

●それはそうとしてダッキーとバニーに萌えろ、という公式のアツいハートを感じました。
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