Red Notebook 『ベイマックス』優しさで世界が救えるわけないでしょ 忍者ブログ
2024.04│ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
ディズニーとか映画とか。All I can say is this: listen to me. My name is Raito. That is not my real name.
2024年04月25日 (Thu)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2014年12月20日 (Sat)
初日初回で見てきましたよ!ベイマックス!



あらすじ:ケアロボットを改造して兄の敵討ちをします

以下、ネタバレを含みます

この作品、ヒーローアクション推しな本国の宣伝と、日本の癒され感動路線な宣伝があまりに食い違っていて、「宣伝詐欺」なんて呼ばれて物議を醸していました。
結論から言うとどちらの要素も組み込まれていて、日本の宣伝も間違ってはいないです。間違ってないんですが、作品としては残念ながらどちらの要素も中途半端だなあ……という印象。

文句なしに素晴らしかったのは、キャラクターデザインや、サンフラン奏京の街並みなどの世界観。
ヒロの髪の柔らかな質感やキャスおばさんの少しぷにっとした体型、ゴーゴーの太もものラインがたまりません。ハニーレモンちゃんの服装もお洒落でかわいい。特にお葬式の時に髪をアップにして、白襟のワンピースを着ているのが素敵でした。
メインキャラクターはもちろん、モブキャラでは序盤のロボットファイトに出てきたピンク髪の女の子や眼帯をしたレフェリー、それにクレイの秘書のデザインがイイ!
レフェリーのお姉さんは没になったヴィランのFujitasの1人のデザインを流用しているのでしょうか。
↑没になったヴィラン、Fujitas



サンフラン奏京の街並みでは提灯のついた路面電車や、キャスおばさんのおうちなんて、神戸の「風見鶏の館」のようなレトロな雰囲気で素敵でした。
特に美しかったのが、夜のカーチェイスシーン。路面の水たまりに反射するネオンのきらめきや、薄緑色のもや。

ただ、せっかくならこの面白い街並みを、もっと戦闘シーンで活かしてほしかったかな。
たとえば「カンフーパンダ2」の路地裏での看板を活かした戦闘シーンみたいな。

その分というか、ヒロとベイマックスがサンフラン奏京の上空を飛ぶシーンは文句なしに最っ高でしたね!
ヘンリー・ジャックマンの素晴らしいスコアもあいまって、アトラクションに乗っているような高揚感がありました。(X-MEN:ファーストジェネレーションやキャプテン・アメリカ/ウィンターソルジャーのときもゾクゾクするくらい格好良かったもんなあ)

アクションシーンでは、ゴーゴーの高速疾走、ハニーレモンの流れるような動きなど、1人1人のアクションには面白いところがあるのに、チームとしてのアクションがほとんど描かれないのが残念でした。
ヒロとベイマックスの関係を中心に据えたために、チームものとしての掘り下げがほとんど無いんですよね。ワサビの「作戦は?」ってくだりを入れる割には、チームが意思疎通できるようになるとか、絆を深めるとかいう展開が描かれない。
何も作戦で6人全員の個性が上手く繋がらなくても、例えばアベンジャーズでキャップとアイアンマンの共闘を映してアイアンマンの上昇に合わせてカメラが移動しホークアイへ、さらに空中戦をしているハルクとソー、ってなるシーンみたいに6人を繋げて見せるシーンがあっても良かったなあと。

今回はチームではなくヒロとベイマックスの絆が主眼になっているので、このへんは次作以降(あるのか分からないけど)に期待したいところです。

ただ、この作品でヒーローものとして1番気になるのが、「何のためにヒーローになるのか?」って部分がスポーンと抜け落ちてるところ。
もちろん当初の目的は「兄の敵討ち」なんですけど、それはベイマックスとのやりとりによってヒロが憎しみと悲しみを乗り越えたことで、あまり理由として機能しなくなってしまう。
今までのディズニー・ピクサーのヒーローもので言うなら、ヘラクレスは恋人のために、Mr.インクレディブルは家族のためにヒーローになる、という動機付けがあった。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーなら、人生に与えられたチャンスを活かすため、とか。
だから、最後の戦いの前に何かヒロたちが「ヒーローとして」目覚めるシーンが欲しかった。
逃げ惑う街の人たちのリアクションを映して、ヒロが「この人たちを守らなきゃ」と思う展開でも良いし、キャラハンの姿に自分を重ねて、「この人に無意味な敵討ちをさせたくない」って思う展開でも良かっただろうし。
ここがヒーローものとしての魅力がイマイチ弱い原因なのかな。

じゃあ感動作路線で考えるとどうかというと、前述の「タダシはここにいます」って言われてヒロが憎しみと悲しみを乗り越えるシーン、ここが1番盛り上がるポイントになるはずなんですけど、ここも重要なシーンの割りにサラッと流しちゃうんですよね。
このシーンをもう少し時間をかけてエモーショナルに盛り上げていたら、最後の最後、ベイマックスともお別れをしなければならない、というシーンでももっとカタルシスが得られたんじゃないかと。

私はヒーロー要素を期待して見に行ったので、序盤で「なかなかタダシ死なないなあ…」なんて思ってしまいました(ひどい)
「ヒーローのオリジンなんて10分で終わらせろ党」過激派なので、ヒーローとしての活躍が始まるまでが長すぎるのが気になっちゃうんですよねえ。
もちろんタダシはとても魅力的なキャラクターですし、タダシとヒロの関係に時間を裂いたからこそ、ヒロが悲しみを乗り越えるシーンが意味を持つんですけれども。

もう少し尺を伸ばしてでも、いろいろと掘り下げて描いてくれればより重みのある作品になっただろうなあ、と思うので少し残念でした。

しかし、ヒーローものはオリジンを描く話よりも、本格的に活動し出してからの方が面白くなるのが世の常。X-MENよりもX-MEN2のほうが面白いし、キャプテン・アメリカよりウィンターソルジャーの方が面白いし!
キャラクターたちのことは大好きになったので、ベイマックス2に全力で期待してます!
続編ではFujitas出しておくれ
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
←No.14No.13No.12No.10No.9No.11No.8No.7No.6No.5No.4
プロフィール
HN:
らいと
性別:
非公開
P R
フリーエリア