Red Notebook 『ミニオンズ』 プリンセス願望には危険がいっぱい? 忍者ブログ
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ディズニーとか映画とか。All I can say is this: listen to me. My name is Raito. That is not my real name.
2015年08月18日 (Tue)

 
イルミネーション作品で一番好きです、「ミニオンズ」!


あらすじ:ミニオンたちがボスを探してさまよいます。ときどきバナナ。
※ちょっとだけネタバレっぽい要素があります。



「怪盗グルー」シリーズに登場する謎の生物、ミニオン。
何をしゃべっているのかわからないし、ときどきクレイジーだし、幼稚園児男子みたいだし、
「強大な悪に従属したいという本能を持っている」というホラー映画か耽美小説か!?みたいなよくわからない設定を持っている。そして、とんでもなくカワイイ。

ミニオンのかわいさって、おバカで本能に忠実で、それゆえに狂気をはらんでいるところなんですよね。
幼児性を煮詰めて作ったような、凶悪なまでのイノセント。
彼らのおバカさは彼ら自身をエラい目にあわせるだけでなく、他者にとっても脅威なので(下手すれば死ぬ!)
たとえばくまのプーさんのように、「不憫かわいい」で笑える枠にも収まらないブラックなかわいさがあります。
このブラックさと、「ミニオン」というキャラクターの視覚的楽しさ(物理法則を無視して引き延ばされる体、物体としての万能感……つまり、質量法則の保存を無視する「アニメーション」の楽しさ)があいまって、本作は古き良きカートゥーンのクレイジーさを思い起こさせます。


ミニオンズの可愛らしさに加えて、この映画の白眉なのが悪役のスカーレット・オーバーキル&ハーブ・オーバーキル夫妻。
名前がもう最高すぎますね。オーバーキルって!
妻がメインの悪事担当、夫は裏方でメカ担当という組み合わせも新鮮で楽しい。
そして悪役でありながら、お互いをリスペクトし、深く愛し合っているのが良い。
悪役は愛を知らないなんて誰が言った?


「塔の上のラプンツェル」や「アナと雪の女王」など、近年のディズニーアニメが「注意深く阻まねばならない身近な悪」を描いてきたのとは対照的に、「悪役楽しい!悪いことするのサイコー!」という、悪役であることをエンジョイしているキャラクター設定になっているのが楽しい。
(これは怪盗グルーシリーズにわりと通底してある感覚かもしれない)
生き生きとした悪役が好きな人にはたまりません。

ところでちょっと面白いのが、スカーレットの野望が「お姫様になること」なところ。
いや、劇中で彼女が奪おうとしているのは英国女王の座なので正確には女王なろうとしているのですが、彼女が目指しているのはあくまでも「子供のころに夢見ていたお姫様になること」なんですね。
だから子供のころに描いた絵とまったく同じ姿になりたいと望む。
「権力の座を手に入れたい」っていうのはアニメ映画の悪役としてはよくある動機なのですが、
彼女は権力そのものと同じくらい、(権力の象徴としてはやや弱い)「お姫様」を夢見ているます。


スカーレットは世界中の悪党から尊敬されるスゴ腕のヴィランで、(悪事の)才能があり、自分を愛してくれる素晴らしい男性と結婚している、どこからどう見ても「成功した女性」なのに、その彼女が望むのは「お姫様になること」なんです。
「素敵な男性に愛されること」でも「きれいなお洋服を着る」ことでもなく、「お姫様」という称号を手に入れること。
子供向けアニメ映画で「お姫様願望」を「悪役の妄執」として描くこの根性、あまりにも意地が悪くて最高に好き。

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